先日、今まで使っていたMacがけっこう古くなったので、新しいM1 MacBook Airを購入しました。
今回は、その新しいPCからadobe Illustratorを使ってCMYKのデータをEPSONのインクジェットプリンターに出力したとき、色味がうまく出力できず解決に少々手こずったので、私の場合の解決策を記録しておきます。
そもそも色がおかしいと思う基準は?
まず前提として、プリントした色がおかしいと思う基準は、CMYKで作ったデータをオフセット印刷などで印刷した印刷物と比べて、色がおかしいなと思うときです。けっしてディスプレイの色とプリントした色が違うから色がおかしいということではありません。
プリンターのプリント結果とディスプレの色のみを合わせたい人には、あまり参考にならないかもしれません。
プリントした色とディスプレイの色の違いの問題は、ここで説明すると長くなるので省きますが、正確に合わせるにはハードウェア・キャリブレーション対応のディスプレイなどが必要になります。
ただ昨今のディスプレイは、Macなどもそうですが出荷時にそれぞれの規格に準じてきちんとキャリブレーションされているものが多くなっています。正確な色が要求される職種以外は、カラーマネジメントの仕組みを理解している方であれば、表現されてない色域を意識することで、ある程度許容して使用できるレベルになったように思います。
話が少しそれましたが、ここでお話しする正しい色の基準とは、「ジャパンカラー認証」などに合格しているCMYKで印刷された「カラーチャート」の色にどれだけ近づけることができるかということです。
でも、そのカラーチャートがない方もいると思います。それは印刷用のインクを取り扱っているメーカーなどから販売されています。
ですが、お金をかけなくてもそれなりに色を確認できる「カラーチャート」が手に入る方法もあります。機会があれば、別の記事でその方法を紹介しようと思っています。
設定方法は、プロファイルを「使用する用紙」にするのがポイント
設定の前に、私の作業環境をまず紹介します。
- プリンターはEPSON(EP-50V)
- PCはM1 MacBook Air(macOS Big Sur)
- ソフトはAdobe Illustrator 25.4.1
それでは、設定方法です。
- Illustratorのプリントの設定画面になります。プリンターのところを「出力する機種名(私の場合EPSON EP-50V)」に選択してください。
- 次に「プリンター」のボタンを押します。
- プリンタのところが「出力する機種名」になっていることを確認。
- カラー・マッチングを選んで「Epson Color Controls」をチェックしてください。
- 「印刷設定」を選択。
- 用紙種類を「使用する用紙」にします。
- カラー調整を「色補正なし」にしてください。この設定は、後で設定するIllustratorの色補正の設定だけを反映させて、プリンター側で勝手に色補正がかからないようにするためです。
- 「プリント」ボタンを押すと元の場所に戻ってきます。
今回の設定と関係ありませんが、よく使う設定は「現在の設定をプリセットとして保存」を選んで「自分でプリントする時に判りやすい名前」を付けておくと次回から選択するだけで良いので便利です。
- 最後の仕上げです。「カラーマネジメント」を選びます。
- 先ほど説明したとおりIllustratorの色補正を反映させるため、カラー処理を「Illustratorのカラー設定」にします。
- 最後にここが良く勘違いが多いポイントになると思いますが、プロファイルを「使用する用紙」にしてください。
- 「プリント」押して完了。以上が私の場合の設定方法になります。
プロファイルに「使用する用紙」が出てこない人はコチラ
ここからは私と同じ状況の人だけが必要な情報になります。
実は今回設定に手こずったのは、このプロファイルの「使用する用紙」を選ぼうにも、そのEPSONの用紙が出てこないというところでした。
このようEPSONの用紙の一覧が出てくれば問題ないのですが、出てこなかったのです。
原因は詳しくは分かりませんが、想像するに新しいPCに初めからインストールされているプリンタードライバーでは、ちょっと古い「EP-50V」に対応してないのかなと思いました。
よってEPSONのHPより使用する機種の「プリンタードライバー」をダウンロードしてインストールしました。
しかし、それでは「使用する用紙」は出てきませんでした…。ここでけっこう悩みました。
しばらくEPSONのHPでインストールできるソフトウェアを眺めていると、ユーティリティーで「Uninstaller(アンインストーラー)」が目に止まりました。
もしやっ、と思い「Uninstaller」でプリンタードライバーを一度アンインストールして再び先ほどダウンロードした「プリンタードライバー」をインストール。
その後、Macの「システム環境設定」の「プリンタとスキャナ」にあるプリンターを「ー」で削除して、再度「+」で使用するプリンターを登録しました。このどちらかが正解だったのか、どちらともが正解だったのか分かりませんが、これで無事プロファイルに「使用する用紙」が出てきました。
もしも私と同じように「プロファイル」に出てこない方がいましたら、この方法試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、外部の印刷会社などで印刷した時の色に、なるべくインクジェットプリンターで近づけて出力する設定のご紹介でした。
この設定は、みなさんが絶対にしないといけない設定と言うわけではないと思います。自宅のプリンターでのプリントアウトが最終の作品となる方などは、またそれぞれオススメの設定があると思います。
それから最後にもうひとつ、プリントの色は設定だけで左右されるわけでありません。選択する用紙によっても色味は大きく変わります。
普通紙でのプリントでは、まずオフセット印刷の仕上がりを確認するだけのクオリティーは得ることができないと思います。
写真のプリントなら写真専用の用紙がいいと思いますが、私の場合は仕事でも使うのでコスパも考えて色味のイメージの確認はマット系のスーパーファイン紙なんかを使ったりしています。